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「つけびの村」高橋ユキ著

「つけびの村」高橋ユキ著

 

2013年7月 夏 山口県周南市の限界集落で起きた殺人事件を取材した本。

 

人口12人の村で一夜にして5人が殺害される事件があった。撲殺である。

 

7月21日夜、村の2件の住宅から火がでて、焼け跡から3人の焼死体が発見される。

近所に住んでいた2人が殺害されているのも発見された。

殺害されていた5人は、頭や顔を鈍器のようなもので激しく殴打された形跡があり、頭部が陥没していた。

前歯が折れて、口の中にものが詰め込まれていた。

犯人は翌日、山の中で発見される。

隣の家に住む63歳の男。

犯人の男の家には「つけ火して 煙り楽しむ 田舎者」という紙が貼らてれていた。

不気味だ。

事件の異常性もあって、連日マスコミでは報道されていたようだ。

 

参議院選挙の日で、山本太郎が当選して話題になっていたときだ。

 

この本の著者は学生時代から裁判の傍聴などをしていた。

霞っ子クラブなる集団を作って傍聴記録をブログに書き、その界隈では有名な傍聴マニアだったようだ。

卒業後フリーライターになる。

本書は2018年7月にウェブサービス「note」にアップした取材記録を加筆修正、追加取材後書き下ろした本。

「note」でこの記事を読んでいた読者が、SNSで感想を拡散して話題になり書籍化が実現したらしい。

 

取材し事件を追体験していく。

メンタルにかなりの負担がかかる。

取材する著者とともに自分も事件の疑似体験をしているようで、しんどかった。

 

村の歴史や慣習、噂話、住民同士の悪口、近所で事件前から起こっているペットの毒殺や放火、祟りの話。

犯人の妄想性障害、村での孤立、経済的な困窮。

事件の背後にあるものはなんなのか。




犯行の動機は?

Uターンして村に帰ってきた彼が、ほかの村人たちに村八分にされた挙句、恨みを抱いて犯行声明を掲げてのちに起こした殺人事件。

マスコミではそう報道されてしまった。

メディアではお祭り騒ぎになり世間に事件が拡散されていく。ことの真相は隠れているまま。

最初に伝えられた情報が真実になってしまう

 

一つの原因で犯行が行われたわけではないだろう。

様々な要因があり、彼の心のなかにうっ積していくモヤモヤしたものが、あるとき爆発して犯行に至ったのではないだろうか。

 

書籍のタイトルが「つけびの村」となっていた。

「つけび」が「つけ火」の意味だとは知らなかった。

放火はよく聞くが、つけ火は聞かないし言葉としても使うことはない。久し振りに目にする言葉だった。

初版が2019年9月。11月に5刷が出ている。

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